Hickok 533A Instruction Manual  日本語翻訳版

この翻訳は、日本の真空管試験器同好の皆様の便宜のために、米国Hickokの「取扱説明書」より翻訳したものです。
英語が読める方でも、英文を逐一読みながら、試験器を操作する面倒から逃れるための一助として、お役に立てば幸いであります。
なお、この説明書の翻訳は、最善の努力によって行いましたが、この訳文に従って操作を行うことによって操作を間違えたり、機械の
不調を招くことがあっても、当方はいっさいの責任をおいません。あくまでも、自己責任において、この「翻訳」をご利用くださるように
お願い致します。
                                    PHILIP YOSHITAKA SHIBUYA  2005.04.25

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操作マニュアル  相互コンダクタンス真空管試験器 533型
      Hickok
    全世界で有名なヒ−コック測定器会社
 10514 dupot Avenue  Cleveland 8 Ohio    40年以上にわたる品質基準

重要
フィラメント導通テストについての指示は、5ペ−ジをご覧下さい。
注意
この真空管試験器の操作を試みる前に、注意深く操作方法をお読み下さい。

第一部  記述

1.目的
a.533型試験器は、受信管、および25ワット以下の電力を扱う送信機において使用される真空管の相互コンダクタンス値を検査、測定する
ために使用されます。

b.533型試験器は、基本的には、REPLACE(=「取り替え」なさい」)−GOOD(=「良品」)の読みとり、または、マイクロモ−で表す
相互コンダクタンス値を示すように設計された相互コンダクタンス表示タイプの真空管試験器です。
電極間のショ−トおよびリ−クを突き止めることのできる設計がなされております。感度のよいノイズ検査ができるようになっています。

c.3つのレンジで、相互コンダクタンス値が測定できます;0−3000、0−6000、そして0−15000マイクロモ−です。
この真空管試験器に設けられているのは、ENGLISH 読みとりレンジです。このレンジによって、良品の真空管は、指示メ−タ−の
針をミドリ(=良品)の部分に動かします。 不良真空管では、読みは 赤(=取り替えてください)の部分、あるいは、疑わしい(?)の
部分になります。

d.ガス検査:
増幅管のガス成分混入の検査ができます。 ガス成分の多く入った真空管は、ラジオ受信機のAVC(=自動音量調整)や
中間周波段を壊してしまいます。 

2. 真空管構成:

1.この533型試験器を動作させるには、整流管 83 1本と 5Y3 1本が必要です。
 これらは、内部に装着されています。
 フュ−ズ・ランプは、標準的な81、自動車用電球です。
 ネオン・ランプは、GE 1/4W、105−125V小型
 バヨネット口金のランプです。

第二部  種々構成部分の機能

3. 電圧調整:
533 試験器は、105−125V、60サイクルのAC電源で動作します。
電源スイッチを入れてから、プッシュ・スイッチ P7(LINE ADJ)を押してください。
そうすると、メ−タ−の指示針は、振れます。P7ボタンスイッチを押したままで、LINE ADJツマミを
メ−タ−のLINE ADJUST 印、メ−タ−目盛り1500に正確に来るまで、まわして調整してください。
このようにしますと、標準的な電圧が真空管電極に与えられます。この調節は、検査する真空管の
ために、各部のコントロ−ル・ツマミを適切に設定し、検査ソケットに真空管を挿入することによって、
行われます。

4.セレクタ−
コントロ−ルパネル中央に並ぶセレクタ−ダイアルは、真空管の口がねピンに適切な電圧を
導く目的のものです。これらのダイアルを設定するのは、電話番号をダイアルすることと似ています。
ロ−ルチャ−トの上のSELECTORということばの下にダイアルする数字が現れます。
これらあわせる番号は、2つの文字と5つの数字から成り立っています。例えば、JR−6237−5
です。左からはじめて、最初のダイアルは、Jという文字が窓を通して現れるまで回します。
次のダイアルはRが現れるまで回します。第3番目のダイアルは、6,第4番目は2,第5番目は3,
第6番目は7、そして第7番目は5です。

文字によるダイアルは、フィラメント、すなわちヒ−タ−の接続のもの、数字によるダイアルは、
グリッド、プレ−ト、スクリ−ン、カソ−ド、スプレッサ−の順です。
上に挙げた例では、ヒ−タ−の端子は、8ピン−1ピンに接続されています。グリッドは、6ピンに
プレ−トは2ピンに、スクリ−ンは3ピンに、カソ−ドは7ピンに、そしてサプレッサ−は5ピンに接続されます。
これらダイアル・スイッチには、同じピンに2つの異なる電圧がつながれることが不可能となるように
電気的にインタ−ロックされております。このようにして、偶然のショ−トは避けられます。

この番号あわせによる方式は、最小限の番号あわせで済むように設計されています。
例えば、真空管ヒ−タ−の設定は、実質上は、常にJRです、ですから、これら二つのダイアルは
めったに再設定は必要としません。また、注目すべき事は、双二極管を検査するときに、番号あわせは
最小限にと減らされています。

5.電極間ショ−ト検査
SHORTSスイッチを連続的に、1−2−3−4−5と回すと、テスト電圧で、順に電極間を接続します。
ショ−トした電極をもつ真空管は、回路を完成し、ネオン・ショ−ト・ランプを光らせます。
真空管ショ−トの検査は、熱した状態でも、冷えた状態でもできます。

電極間ショ−トは、SHORT スイッチの或る位置で、ネオンランプがつきっぱなしに、なることで示されます。
スイッチがある位置から、別の位置に回されるときに、一瞬光るのは、無視してください。一瞬光るのは
検査回路のコンデンサ−から放電されるからです。
極間ショ−トのある球は、これ以上のテストはしないで、廃棄しなければなりません。

6.ネオン・ランプによってショ−トしている電極を突き止めること:
次の表で、いかなる位置でも(X)はその位置でネオン・ランプがひかることを
示しています。

KINDS OF SHORT 1 2 3 4 5
FIL-CATH.
FIL -GRID X X
FIL -PLATE. X X X X
FIL - SCREEN . X X X X
FIL - SUP. X
GRID - CATHODE X X X X
GRID - PLATE . X
GRID - SCREEN . X X X
GRID - SUP. X X
PLATE - SCREEN . X X
PLATE - SUP X X X
SCREEN-SUP. X X X X X

7. ノイズ・テスト
ショ−ト検査回路は、また、真空管のノイズ検査にするのに使用されます。
ノイズ検査ジャックをどんなラジオ受信機でもよろしいが、アンテナ端子とア−ス端子
に接続します。検査中の真空管を、SHORTS スイッチを1−2−3−4−5と回転させながら
指で軽くたたいてやります。
ネオン・ランプでは、あまりに短くて認められない断続的な障害が静的なモノとして、拡声器より
再生されます。

8. ガス検査:
この検査を整流管に対して行ってはいけません。
プッシュ・ボタンP5(Gas1)とP6(Gas2)は、増幅管のガス内容を検査するために
使用されます。

a.マイクロ・モ−・スイッチを3000に設定してください。
b. メ−タ−の指示針が100マイクロモ−となるように、BIASダイアルを回している間、
プッシュボタンスイッチP5を押して続けてください。
c. P5を押したままで、P6を押してください。
d. もし、真空管にガスが入っていたら、メ−タ−の針は、目盛りの上側に動きます。
もしも、メ−タ−針の動きが、せいぜい1目盛りであれば、ガス内容は、満足できる範囲内です。

注意
いくつかの真空管、例えば45では、BIASダイアルをまわしても、マイクロモ−の読みとり値を
100まで下げることが出来ません。そのような場合には、BIASダイアルを100まで、回して
ガス検査を行ってください。

真空管の中には、ある一定時間熱せられるとガスが発生するものがあります。
もしも、真空管が疑わしい場合は、2−3分暖まらせて下さい。


9.動的相互コンダクタンス:
押しボタンスイッチP4は、相互コンダクタンス値を求める時に、使用されます。
指示計は、3レンジ、すなわち、0-300, 0-3000, 0-15000 で、真空管の値を記録します。
使用されるレンジは、マイクロモ−スイッチで切り替えられます。前述の3つのレンジのいずれ
で、マイクロモ−を測定しても、ENGLISHダイアルの設定は必要ではありません。
マイクロモ−スイッチの第4レンジ、ENGLISHは、GOOD−REPLACEの表示で、真空管検査
をすることを望む場合に、使用されます。
この場合に、ENGLISHダイアルは、真空管デ−タ−チャ−トのENG.欄に記載された数字
に従って設定されなければなりません。
このENGLISHレンジを使用している場合に、良品の真空管ではメ−タ−の針は
GOODの区域の読みとなります。消耗した真空管では、REPLACEの区域の読みとなります。
(?)と書いた区域の読みとなる真空管は、若干の寿命はありますが、やがては取り替え
が必要となります。ENGLISH読みとり目盛りもまた、動的相互コンダクタスに基づいて
おります。これは、エミッション検査ではありません。
真空管検査設定デ−タ−に記載されたマイクロモ−は、平均値です。これら平均値より上
或いは下の値は、新品の球でも予想されます。
ENGLISHの目盛りは、真空管がGREEN(GOOD)区域の左端、増幅管では、平均値よりは
20%下、電力増幅管では、平均より35%下で、読みとられるように設計されています。


10.整流管検査:
プッシュ・スイッチP1、P2、P3は種々なタイプの整流管電極を検査するために
用いられます。
a.プッシュボタンP1は、検波用二極管を検査するときに用いられます。
壊れやすいカソ−ドを傷めないように、低い電圧を与えます。良品の二極管は
メ−タ−DIODES O.K という表示以上の読みになります。

b.プッシュ・ボタンP2は、OZ4のような冷たいカソ−ドの整流管を検査するときに
使用します。これには球をイオン化し、導通を始める前に十分に高い電圧を与えます。
良品はGREEN(GOOD)の読みとなります。

c.プッシュ・ボタンP3は、5Y3のような普通の整流管を検査するときに
使用します。このスイッチは、このタイプの球における欠陥を明らかにするのに
もっとも適合した中程度の電圧を与えます。
良品はGREEN(GOOD)の読みとなります。
注意

デ−タ−・チャ−トにおいて、P1,P2,P3につづく★印は、MICROMHO スイッチをENGLISHに設定するべきことを
示しています。

11. ソケットの番号づけ:
番号会わせの回数を最小限とするために、533型試験器のソケットは、図1において示されるように、番号が付けられています。
これは、底部から見たものです。番号は次のごとくです。

0−−−−A −−−−P
1−−−−B −−−−R
2−−−−C −−−−S
3−−−−D −−−−T 
4−−−−E −−−−U
5−−−−F −−−− V
6−−−−G −−−−W
7−−−−H −−−−X
8−−−−J −−−−Y
9−−−−K −−−−Z

文字「I」は省略されていますが、これは数字「1」と似ているからです。
文字「Q」が省略されていますが、これは数字「0」と似ているからです。

12.メ−タ−の逆接続:
指示メ−タ−のすぐ下に、REVERSE−NORMALと記したスイッチがあります。
或る種の真空管、例えば、117N7では、メ−タ−は、NORMALに設定していると
整流管検査をするために、P3スイッチを押すと、針が後ろ向き(左側に)に振れます。
そのような場合には、メ−タ−スイッチをREVERSEにして下さい。そうするとメ−タ−の
針は、目盛りの右側に動くようになります。この検査が終了すれば、スイッチをNORMAL
に戻して下さい。

13.トップ・キャップ:
コントロ−ルパネルの上部中央にGRIDとPLATEと記した2個のジャックがあります。これらは
検査する真空管のトップ・キャップに接続するために使用されます。
デ−タ−チャ−トの真空管種別の反対側にある備考欄にCAP=G あるいは CAP=Pという記載が
あります。GはトップキャップはGRIDジャックにに接続し、PはPLATEジャックに接続することを
意味しております。

注意
7ピンソケットの中心はパイロットランプを検査するために使用されます。
12.6Vまでの電圧がパイロットランプ検査に用いられます。これら電圧は、フィラメントスイッチ
で設定されます。それ以上のスイッチ設定は必要ではありません。


14.特別注意点:
電源電圧は異なる地方で違いがあります。電源電圧は一日の異なる時刻で変化しています。
国内の調査では、アメリカ合衆国の平均電圧は、117Vであるけれども、そうであるからといって
すべての地方が、そのレベルで一定の電圧を維持しているということではありません。
時折、使用された真空管が検査したらGOODであるのに、ラジオ受信機では働かない、しかし、
新品の真空管に取り替えたら、受信機が働くという苦情を受けます。
これに対する、答えは次の通りです。
真空管は、仕様に従って作られています。我が社の試験器もこのような仕様に従って
真空管を検査するように設計されています。ある受信機において動かない中古真空管は
特定のフイラメント電圧を受けていなかったのです。
新しい真空管は、その初期の予備的な能力の故に働いたのです。その中古球も
その特定のフィラメント電圧を受けていたら動作していたでしょう。
真空管の不動は、AC−DC両用機において、ヒ−タ−、つまりフィラメントが直列に接続
されている場合に起こります。
時々、電源電圧が正常であるのに、異常に高いフィラメント抵抗値を持つ直列接続球は、仲間の
真空管から、正常なフィラメント電圧を奪ってしまいます。奪われた真空管は、
明らかに動作しません。しかし、特殊な状況のもとで、検査されると、その真空管はGOODと
測定されます。

15.533型 DYNAMIC MUTUAL CONDUCTANCE TUBE TESTERは
真空管に対して寿命検査を可能とする特徴を備えています。
コントロ−ルパネルの下部、右側には、NORMAL と LIFE TESTと記したスイッチが
あります。

寿命検査−−これは、整流管には使用しません。

a. スイッチをNORMALにして、普通のやり方で、相互コンダクタンスを測定してください。
b. マイクロモ−・レンジスイッチをENGLISHに設定してください。
c. P4スイッチを押して、真空管測定値がグリ−ン(GOOD)の部分の読み、目盛り2000となるまで
  ENGLISHダイアルを調整してください。
d. 全てのものを一定としておいて、スイッチを寿命検査に投入してください。こうすると
  カソ−ド温度を下げることになります。
e. もしもメ−タ−の読みが、緑色(GOOD)であれば、真空管には大きな寿命が残っていて
  満足の行く動作をします。
f. 寿命検査をした後、他の全ての検査をするためにスイッチを NORMAL に戻してください。
g.  整流管には、相互コンダクタンスはありません。整流管の寿命検査をする時には、フィラメントスイッチを
NORMAL値に設定してください。 真空管が十分に熱せられてから、検査を行ってください。
それから、フィラメントスイッチにおいて、一段フィラメント電圧を下げてください。そうすれば、
メ−タ−の読みとり値が、25パ−セント以上降下してはいけません。

16.導通検査
533型試験器では、200,000オ−ムまでの、抵抗値を通じた導通検査を行うことができます。
a.Short スイッチを4の位置に設定してください。
b.検査棒とピンプラグを持つリ−ド線をPLATEおよびGRIDと書いているジャックに接続してください。
c. 導通を検査するべき端子にテスト棒で触れてください。
d. もし、回路に導通があれば、ネオンランプが点灯します。

17.フィラメントとヒ−タ−の導通検査:
1 試験器の電源スイッチを入れてください。
2 セレクタ−をチャ−トに従って真空管検査ができるように設定してください。
3 フィラメント・スイッチをチャ−トに示された電圧にしないで、BLSTの位置に設定してください。
4 SHORTスイッチを1の位置に設定してください。
5 真空管を適切なソケットに挿入してください。
  もしもネオン・ランプが輝けばフィラメントは大丈夫です。
  今度は、完全な検査が、フィラメント・スイッチを適切なタップに設定し
  真空管が加熱する間に、SHORT TEST スイッチを全ての位置へ数回、
  回転させてください。もしも、電極間ショ−トがなければ、スイッチを
  TUBE TESTの位置に設定して、チャ−トに従って
  その真空管の検査へと進んでください。
 
        注意:
時々冷えているときにフィラメントの導通はあるが
暖かくなると導通のなくなることがあります。

バラスト球の検査方法:

1  試験器のスイッチを入れて下さい。
2  フィラメントスイッチを BLSTに設定して下さい。
3  ショ−ト検査スイッチを1に設定して下さい。
4  最初のセレクタ−スイッチ(A−Kの文字)を (FIRST SELECTOR SWITCH)と記載された欄
   に示された文字に設定して下さい。すべての数字の番号の附いたセレクタ−SWをゼロに設定してください。
5  第二番目のセレクタ−スイッチ(P−Zの文字)をP−Zまで回して下さい。
   記載された位置で、ネオン・ランプは点灯するはずです。