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   Et tu, Brute !
「ブルータス、お前もか!」
 
ジュリアス・シーザーが元老院の前で、暴徒に襲われたとき、大事にしていた子分の
一人とも言えるマルカス・ブルータスも加担していたことを発見したときに、発した
シーザーの言葉としてあまりにも有名であり、小学生でも知っている。
しかし、「その後どうなったのか」は、あまり触れられてはいない。
大学生の頃、是非に読みなさいと、文学の手引き書にあった本は、プルタークという
ローマの伝記作家の「英雄伝」で、英語版では Lives という書名である。
若いころには、なかなかに読む時間がなかったが、最近その翻訳版と原書を取り出して
読んでみると、これが実に面白い。かの有名なナポレオンもこの書を人生の手引きとして
読んだというが、今もこのような書は、人の人生の手引きとして読んで、決して悪くは
ないと思う。
この「英雄伝」の中に、克明にこの暴徒達のその後の事が描かれている。
 
さて、シーザーを暗殺したあと、この暴徒達は「皇帝になろうとする」政治家を阻止したと意気揚々として引き上げて行ったが,一味の中のカイアスという人と同名の人がいて、人々に間違えられて、人々に襲われ、家をつぶされ本人も虐殺されたのを見て、この暴徒たちは、全てを棄てて近隣の国々へと逃げ去ったというが、そこでもことごとく追撃され虐殺されてしまったということである。
 
なお、このプルタークの「英雄伝」には、まるで実際に Julius Caesar の時代に
我々が戻ったかのように、克明かつ正確に人や事件を述べておるので、思わずその
場面に我々を引き込んでしまうような名描写が多い。
対抗するローマのポンペイ将軍の4万の軍勢に対して、いかにしてシーザーが1万の
軍勢で勝利をおさめることが出来たのかが、手に取るように描写されたりしている。
 
以上 pip の「読み物紹介」第一号でした。      1999.11.13