| ぼくを暴かないで
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唐突に現れたのは四天王の一人だった。見るからに怪しげな仮面を付けた彼は、ぼくより少し年下か同い年くらい、赤みがかった髪を掻き揚げて、こんにちは、と言った。不思議な響きの声をしていた。 直後、思念を引き裂いて、何物かがぼくの中へと侵入してくる。始めは淡い、そして段々極彩色のイメージにそれは変わった。歪でぼやぼやした、でも、悪意を持つ何かがぼくを犯す。
ぼくは悲鳴を上げていただろう。気付いたときにはぼくは床に這い蹲って荒く呼吸をしていた。 「あれ、きみ、ビンカンだね」 ぼくを見おろしながら彼は楽しそうにそう言った。 「相手が普通のひとだと、視線をあわせなきゃ、できないんだけど。きみは千里眼だっけ、きっとその分感度がいいんだね」 からだが、がくがくと震え出すのを、止めることが出来なかった。冷や汗が流れる。呼吸が徐々に浅く、短く、なってゆく。ぼくは俯いて、自分の手を見て、正気を取り戻そうとした。彼は咽を鳴らして、じゃあさ、とぼくの顎をしゃくった。 「ぼくが仮面をとって、直に君を見据えたら、君はいったいどうなっちゃうんだろうね」
それも楽しそうだなあ、彼は顔に手をやって、その覆いを外す。問題ないよね、だって、きみ、すごく気持ちよさそうだもの。 |