本当に、いやな男だったわ

 

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幼なじみのおとこ、名前は忘れもしない
‘ワタル’といったわ、
あたしあんたをよくいじめてやった
あんたの優等生面が気に入らなくて
あんたが甘っちょろい物言いするのを許せずにいて
あたし覚えているわ、あんたはそんな男だった

 

あたしはあいつと同じ道にいて
ふたりの幼いドラゴンつかい
あたしは女であんたは男
あたしに才能がなかった訳じゃないのよ

女であるあたしの力は負けん気だった
あたしは女であったからこそ
その分、あんたの傲慢と、余裕と、
その鮮やかな赤髪までもが妬ましかった
だからといってふたり道を違うことはなく
ドラゴンつかい、だった、でしょう

 

あたしは超えがたい壁があることも知っていた
知っていたからこそがむしゃらに突き進んで、そうして、
そうしてやっと手に入れたフスベシティジムリーダーの肩書き

ふと電話が入る、竜の形の受話器に頷き、
ジムリーダーに為ったばかりのあたしを見据えて、
長老さまは仰有った

「ワタルがチャンピオンになったそうじゃ」

 

 

悔しいけどみとめるわ
あんたが男じゃなくても、
あたしの力量なんて、とっくの昔に、超えていたこと
けどね、あたしは思っていたのよ
あたしがジムリーダーに、なれば、
あんたをそばに置いてやるのも悪くないかしら、ってね

なのに

 

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こうして会うのも久々ね
チャンピオン様が今更ジムリーダーに何の用なの
あんたの顔なんか、二度と
拝むつもり無かったのよ

ほら、またそうやって、
私に腕を伸ばして、にくらしい、
何時の間に長老さまに認められるドラゴンつかいになったの、
何時の間にリーグチャンピオンになんてなったの、
何時の間に私の肩を抱いて余る程の体格になったの?
ねえ、何時の間にあたしを置いて行っちゃったのよ

 

いけすかないったらありゃしないわ、
ほんとうに、