肛門周囲の皮膚病変

尖形コンジローマ 症 : 肛門周囲に多数の表面がキザキザした感じの”いぼいぼ”が出来ます。一つ一つは茎があり、独立しています。多数集合すると大きな固 まりに見えます。湿潤したところに出来やすいので常に清潔に保つ必要があります。好発部位は肛門周囲、女性の場合は外陰部です。

原因はウイルス感染です。性交などでも感染します。
治療 外科的に切除が必要 です。数が少なく、この症例の程度であれば、局所麻酔で切除して、根部を電気メスで焼灼しておきます。再発しやすいので経過観察が必要です。 写真は治療後1週間後です。

肛門周囲ヘルペス  : 肛門周囲の皮膚に紅斑を伴った小さな水疱形成が見られます。かなり強い痛みを訴えます。水疱が破れて出血することもあります。

原因はヘルペスウイルスの感染です。胸部などに出来るいわゆる”たすきいぼ”と同じです。

治療は抗ウイ ルス剤の軟膏を塗布するか、ひどい場合は抗ウイルス剤を内服します。1週間もすると黒色のかさぶたになります。

肛門掻 痒 症 : 肛門周囲の皮膚が慢性湿疹様になり、白濁、肥厚しています。頑固なかゆみがあります。掻きすぎたりすると、表面がビランなり、痛み と出血 がみ られま す。石鹸を使うと症状の悪化が見られることがあります。水やお湯で洗浄し、しっかり乾燥させておく必要があります。

間擦疹 :  ”ひりひりと痛 い”と訴えて来院します。肛門周囲にリング状の発赤が見られます。よく見るとビランしています。汗等で湿潤した状態で長くあるいたり、たちっぱなしの時に 出来るようです。臀部の皮膚が擦れて出来るいわゆる”またずれ”です。洗浄と乾燥で治りますが、ひどいときは一時的にステロイド軟膏を塗ってもらいます。

膿 皮症 : 痛みが主な症状です。毛嚢炎や間擦疹(いわゆる”またずれ”)が原因になることがほとんどです。抗生剤入りの軟膏が必要なことも 多いですが、洗浄と乾燥が大事です。

肛門湿 疹  : いつも”ひりひりした痛み”を訴えます。軽度の便失禁があり、しばしば便による汚染が見られます。便の汚染が原因なので、洗浄と乾燥だけで治ります が、失禁にならないように便を柔らかくしすぎないことが肝要です。

肛門部 ページェット病 : 1 年以上前 から、いつも肛門の周りがじくじくして気持ちが悪い、時々痛いということで薬局で軟膏を買って塗っていた が治らないということで来院されました。肛門を取り囲むようにビランがあり、汚い苔で覆われています。一見してふつうのビランではありません。生検(皮膚 の一部を切除して顕微鏡で調べること)したところ、ページェット病でした。これは一種の悪性疾患です。肛門を皮膚ごと切除して人工肛門になりました。 1〜2週間で治らない皮膚の病気は時にたいへんな病気のことがあります。早く専門医に見せることが大事です。

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