柳原白蓮


白蓮は藤原氏の女なり。
王政ふたたびかへりて十八の秋、ひむがしの都に生まれ、
今は遠く筑紫の果てにあり。
緋房の籠の美しき鳥に似たる宿世にとらはれつつ、
朝化粧五月となれば、
京紅の青き光をなつかしむ身も、思ひあまりては、
あやまちになりし躯の呼吸する日々のろはしく、
わが魂をかへさむかたやいづこと、
星のまたたき寂しき夜に神をもしのびつ。

踏絵もてためさるる日の来しごとも歌反古いだき立てる火の前
吾は知る強き百千の恋ゆえに百千の敵は嬉しきものと
天地の一大事なりわが胸の秘密の扉誰か開きね




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◆ 脚本